数学・物理学における 「線型」 と 「非線型」 という言葉について
線型と非線型という分け方は大雑把すぎる?
本質は、 「重ね合わせの原理」が使えるかどうか ということ. 「重ね合わせの原理」が使えるならば 線型 、使えないならば 非線型 といえる.
すなわち、そもそも 「線型・非線型の 2 通りへの分類じゃ大雑把だからもっと多く分類するほうが良いのでは」 という考えが見当外れ.
非線型とは、 問題を解く際に有力な道具である 「重ね合わせの原理」 を使うという試みが成功しない問題である という認識を表したものと解釈するべき.
「重ね合わせの原理」が使えれば、フーリエ解析や演算子法といった道具が使えることとなる.
重ね合わせの原理とは?
「重ね合わせの原理」 とは、 線型な系一般に成り立つ特徴的な原理 といえる.
すなわち、"二つ以上の入力" が同時に与えられた時に、系が返す応答が それぞれの入力が単独に加えられた場合に返される応答の総和となること をいう.
したがって入力 A に対して応答 X が返され、入力 B に対して応答 Y が返されるならば、入力 ( A + B ) に対して返される応答は ( X + Y ) となる.
重ね合わせの原理が成り立つためには、 加法性 および 斉次性 という二つの性質が成立する必要がある. 以下のような性質を持つ写像 (線形写像) はそのような性質を持つものの一つ.
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加法性:
F(x1 + x2) = F(x1) + F(x2) -
斉次性:
F(a x) = a F(x)
x 、 x1 、 x2 は線型空間の要素 (ベクトル) であり、 a はスカラーである.
入力に対して応答を対応付ける写像を F とすれば、線型系の応答を表す写像は上の 2 式を満たす.
フーリエ変換、ラプラス変換 etc. は重ね合わせの原理が成立することを前提にしている.
線型性
線型性 (linearity)、線型、線形、線状、リニア (linear) とは数学や工学の用語であり、 グラフとして表した時に直線となるような数学的関係 のこと.
数学において、写像 f が線型であるとは、f について以下の 2 つの性質
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加法性: 任意の
x、yに対してf(x + y) = f(x) + f(y) -
斉次性 (作用との可換性): 任意の
x、αに対してf (αx) = αf(x)
が満たされること.
ここで x 、 y は実数や複素数、あるいはベクトルなど一般に環上の加群の元、 α はその環の元を表す.
たとえば、 一次関数はそのグラフが原点を通るとき、またそのときに限り線型性を持つ.
(↑ のように、一次関数は f(x) = ax の場合にのみ線型性を持つといえるので、 f(x) = ax + b の形はあまり線形代数中に現れない.
これは行列を使った一次変換を y = Ax で表す際に y = Ax + B は アフィン変換 と呼び分けていたことからもわかる.)
線型代数学はこのような 線型の変換とそれによって保たれる空間の性質について研究する学問 であり、 ベクトル、ベクトル空間および行列によって表される線型写像や線型方程式系を扱う.
また、関数を関数に写す写像である作用素の線型性は関数解析学で扱われる. 関数の微分を作用素と見なすことで得られる微分作用素 (たとえば ∇ やラプラス作用素) の概念は線型作用素の重要な例.